つぶやきといふ名のぼやき
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以前から何度か書いてゐるが、働き蟻だか働き蜂の七割は仕事しない(とはいつてもまつたくしないわけでもなからうが)んださうである。残りの三割が車輪のやうに働いて、なんとかもつてゐるのだといふ。
仮にそのよく働く三割を群から取り去ると、七割の中からまた車輪のやうに働く蟻なり蜂なりが出てくるのだといふ。その割合は全体の三割。 自分のことはずつと七割の中の一人だと思つてゐたし、七割の中の一人であることに満足してゐた。 自分の仕事に誇りなんぞもつてないし、持たうと思つたこともない。 今日の今日までさう信じて来たのだが。 どうやらさうではなかつたらしい。 あ、「七割のうちの一人」といふのはそのとほりだと思ふが。 そんなわけでひどく落ち込んでゐたが、拉致被害者のご家族が米国下院で訴へをおこなつたと聞き及び、「自分の悩みなんぞ、たいしたことぢやないよな」と思ふことにした。 ご家族の方々は、マスメディアへの露出も多い分、さまざまな御苦労のあることと思ふ。いやがらせもおおからう。ひどい話である。 さう、自分の悩みなんぞたいしたことぢやないのだ。 PR
テガッキーを持つやうになつて以来、腕時計をしなくなつた。
だが、ときどき無性に腕時計がほしくなる。 いや、どちらかといふと、ナースウォッチとか懐中時計のやうなタイプがいいなあ。 スイスの鉄道会社の時計とかさ。 と、いつも思ふのだが、結局今日もテガッキーで時間を確認してゐるやつがれであつた。
ふ、そんなことあるわけないぢやん。
ただの寝不足。寝不足なだけだつて。 一週間くらゐ(土日含まず)のんびり休んだらすべてよくなるよ。 ……と云ひながら病院に行かないやつがれ。
お先真つ暗だ。
よく「夜明け前が一番暗い」なんぞと云ふけれど。 夜明けがくると、たれに断言できやうか。
平日は一日の四分の一も自宅で過さないせゐにやあらむ。
どうも週末は閉じこもりがち。 「今日こそは出かけなければ」 とは思ふものの、さて、では行きたいところがあるかといふと……むむむ。
「死ぬ」なんて、軽々しく口にするなといふけれど。
しかし、最近では近親者についてさへ、「亡くなる」といふご時世である。 いはく「父が亡くなつた時」「弊社の誰某は亡くなりまして」。 自分のことでも「あたしが亡くなつた時にさあ」といふやうになる日はもう目の前だ。 だからあへて、「死ぬ」といふ言葉を使つていく所存。
「思ひ知らせてやる」とか「懲らしめてやる」とか思はずに終へることができさうだ。
プロ野球ではなんとやらいふ選手が「今度死球を受けたら故意であるとないとにかかはらず投手をやつつけてやる」とかいつたらしいが。 やめんさい。
長いこと自分の欠点は「瞬間湯沸器」であることだと思つてきた。
しかし、どうやらそれが最大最悪の欠点ではないらしいことに今日になつて気がついた。 いや、おそらく前々から気がついてはゐたが、認めたくなかつた、といふのが正しいかもしれない。 最大最悪の欠点、それは「思ひ知らせてやる」と思つてしまふことだと思ふ。 先日、人の目の前を横切る相手の足を踏んでしまつた、といふことを書いたが、これも無意識のうちに「思ひ知れ」と思つてやつたことにちがひないのだ。 世の中の裁判やらなにやらを見てゐると、被害者あるいは被害者の近親者は加害者に対して「思ひ知れ」と思ふものらしい。 懲罰の多寡は実のところどうでもよくて、「心から悪かつたと思へ」といふ願望の方が大きいやうに思ふ。 だが、実際さうではないことが多い。 それに現行法は報復を認めない。 だから「オリエント急行殺人事件」みたやうなことになつたりするのだらうし、それを考へるとかういふ感情は本邦にかぎつたことではないことがわかる。 とりあへず明日からは「思ひ知れ」と思はないやうにして生きていかうと思ふのだが…… どこまでさうできることやら。
上司が、「昨年度下期の面談をできないか」と日程を提示して来た。
………………。 上司は部下たるやつがれの仕事上の予定をまつたく把握してゐないらしい。 かくして不信感は芽生えるのである。
今朝のことである。
電車を乗り換へやうと歩いてゐると、いきなり背後から出てきて人の目の前を横切る(斜め切る?)人があつた。 とつさのことで踏み出した足をどうすることもできず、思ひきりその人のかかとにあたつてしまつた。 謝らうとした瞬間、件の人がふりむいた。 喉もとまででかかつてゐた謝罪のことばはそのままひつこんでしまつた。 相手には当人の非を認める色がまつたく見受けられなかつたからだ。 「ったく」 とその人は吐き捨て、 「ごめんなさいくらゐ云つたらどうなんだ、人の足を踏んでおいて」 といふではないか。 そのままそのことばを返したかつたが、生憎とやつがれはかういふ時にことばの出てこないたちなのである。 #だからかうして愚痴を書き散らしてしまふわけだ。 急いでゐたらしい相手はそのまま立ち去つた。 きつとあの人物は今でも自分が悪かつたとはこれつぽつちも思つてゐないに相違ない。 なんでもないのに他人の足を踏むことなんぞあるものか。 さういふ想像力もないのだらう。 ほんのわづかでも、謝らうと思つた我が身が口惜しい。 |
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