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つぶやきといふ名のぼやき
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帰りのバスを待つてゐた時のことである。

目の前には白髪の老人。ちやうどやつがれが列にならばうとした時に横の道から出て来てやつがれの前に立つた。これはよくあることなのでどうといふことはない。

しばらくすると、その老人のつれとおぼしき女性が老人の前に横入りした。

どちらもかなり年を召してゐて、かなりきこしめしてゐた。

やつがれはコニー・ウィリスのPassageを読んでゐた。



やがてバスがくると、女性は携帯電話を手にぼんやりしてゐたので、「ただの見送りかもしれない」と思ひ、追ひ越してバスに乗つた。

そして、遅れて女性もバスに乗つてきた。

老人と女性はやつがれのすぐ後ろの席に座つた。



道を半分も云つた時だらうか、気がつくと女性はどうやら暗にやつがれの悪口を云つてゐるらしかつた。

やれバスに乗つた時からページがかはつてないの。

やれ自分の知り合ひに西班牙語等の洋書を読む人間がゐるが常識がないの。

やれこれだけ云へば常識のある人なら反省するの。



横入りするやうな人間の云ふことばだらうか。



そして、甘えるやうな聲で連れの老人に同意を求める。

老人がなだめるやうなことを口にすると、「自分は正しいことを云つてゐる」「どうせもう二度と会はないかもしれないのだからかまはない」などとのたまふ。



結局、ふたりとやつがれは同じバス停で降り、女性は負け犬の遠吠へのやうに「ばつかぢやないの ばつかぢやないの」とくりかへしてゐた。



どちらもやつがれから見て二十歳から三十歳は上である。

酔つぱらつてゐたにしても不様である。

世の中には若者の非常識をとがめる論調はまかりとほるが、老人の非常識については目を覆ひ口をふさぐ。



ひきこもり願望の強くなるのはこんな老人ばかり見かけるときである。



ちなみにやつがれは「君子」を気取つて一言も云ひ返さなかつた。

イヤミな輩ではある。
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