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つぶやきといふ名のぼやき
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松嶋屋(ほぼ)勢揃ひの俊寛に、とほい昔車引を見たときのことを思ひ出す。「凡夫心」のところで花道にさしかかる俊寛の足元に波がせまる、といふのがいつもの演出だが、今回はすつぽんがあいてゐて海の深いところまできてしまつて先に行けないといふ演出。また最後は声がかれてしまつて出ないといふ場面も。この演目はあまり好きになれないけれど、かういふのはおもしろいかな。千鳥は初演の方がよかつたなぁ。そして、萌黄色の安つぽさに涙する。



口上に先代の話がほとんど出てこないのはなぜ。



道成寺。押し戻しまでやつてくれるのはうれしいんだけど、必然性が感じられない。必然性といふのは、白拍子花子にあやしの姿に変化するほどの鬼気も恨みも感じられないといふこと。むづかしいね。



雁のたよりは以前見たときはとてもおもしろいと思つたんだが。いや、今回もおもしろかつたけども。松嶋屋でも見たいな。これは以前も思つたか。



万歳。下手は鼓を打たぬがよい。



南座に来ると思ふのだが、歌舞伎座にくらべて客の質が低い。上演中にもかかはらず、あたりはばかることなく喋りまくつてゐる輩が多い。また場内の係員がまつたく注意しない。歌舞伎座では少なくとも係員が注意する。

おそらく南座に来る客は普段芝居見物などしないのにちがひない。



え、それ以前の問題?

さうかなさうかも。
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