つぶやきといふ名のぼやき
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12月の読書メーター
読んだ本の数:6冊 読んだページ数:1453ページ 特盛! SF翻訳講座 翻訳のウラ技、業界のウラ話 発売と同時に買つたはずなのに、今まで「積ん読」状態だつた。なぜなぜ。読みやすくておもしろい本。そのうへ黒丸尚への追悼文にはほろりとくる。著者の翻訳環境(PCまはりといふか)の変遷を懐かしいものに感じた。 読了日:12月04日 著者:大森 望 周公旦 (文春文庫) 歴史小説を読む人には「ためになる読書」を求める人が多い。「周公旦」はさういふ人の求める「説教くさい」歴史小説とは一線を画する一冊だと思ふ。「娯楽としての読書」を求める向きには是非。 読了日:12月06日 著者:酒見 賢一 茶の間の正義 (中公文庫) 本書は元々1967年に発行されたものだといふ。文章が書かれたのはもつと前だらう。だのに少しも古くない。男が産休を取るといつて驚いてゐる。出産は私事であり、それを公の場で云々するのはどうか、といふ。昨今はやれ運動会だ入学式卒業式だといつては休む父親がゐるのを驚くやつがれの如しである。悪いこととは云はないが、自分の感じてゐた違和感はこれだつたのか、と思ふ。たつたひとりの革命は、さぞかし困難であつたことだらう。遠き道程にしばし茫然とするばかりである。 読了日:12月08日 著者:山本 夏彦 ギリギリデイズ (文春文庫) ネット上に氾濫する文章について云々すること数度、それつて、「文章で金の取れない奴は好き勝手云ふ権利はないつてこと?」とちよつと疑問に思ふ。「文章売つて食つて行けるオレに食へない奴があれこれ云ふんぢやねえよ」といふやうにも読める。疲れてるんだよね。きつとね。「キレイ」と「パンドラの鐘」の時期の日記といふことで読むことにした。「キレイ」はあの監禁事件の発覚前から考へてゐたのか。 読了日:12月09日 著者:松尾 スズキ 飛ぶ教室 (岩波少年文庫) クリスマスの時期に読んでよかつたと思ふ。こどものころ、「軸が緑の鉛筆」を「緑色の鉛筆」と勘違ひして、色鉛筆の中から緑色の鉛筆を取り出して文章を書いたりしてゐたなあ、と、懐かしく思ひ出した。なんでもかんでも「あったりまえ」で押し通すのはどうかなあ。前後関係がつながつてゐない場面があつて、興が殺がれること一度ならず。 読了日:12月15日 著者:エーリヒ ケストナー 夢見るビーズ物語 手作りをする人なら「わかるわかるっ!」と共感することしきり。さうなんだよねー、作りたくなつちやふんだよねー、作るもの決まつてないけど、新色とか新作とか出ると、入手したくなつちやふんだよねー。ただこの本、本屋で見つけるのは至難の業かも。まんがの棚にあるのか手藝の棚にあるのか、今ひとつはつきりとしない。その点だけ残念。 読了日:12月22日 著者:萩尾 望都 読書メーター PR
11月の読書メーター
読んだ本の数:5冊 読んだページ数:1606ページ Poison Pen: A Forensic Handwriting Mystery 筆跡鑑定家の女の人が主人公で、作中筆跡鑑定の蘊蓄が端々に現れてそれが楽しい。いはゆるCosy mysteryに分類されることもあるやうだが、ちがふと思ふなあ。謎解きを期待すると肩すかしを食らふので要注意。これ、邦訳されてないの? 予定もないの? したらいいのに。 読了日:11月07日 著者:Sheila Lowe 完本・文語文 (文春文庫) これほどわかりやすい本もまたないが、今の世に云ふ「わかりやすさ」とははつきりと異なる。真似をしてネットに書き込めば、即誤読の嵐に見舞はれやう。真似して真似のできる書き方とも思はれぬ。既に一度二度読んだ本だ。今後も折りに触れ読み返すことだらう。 読了日:11月10日 著者:山本 夏彦 言壺 (中公文庫) 怖かつた。読んでゐてこれはホラーだと思つた。多分、自分は無意識のうちに「言葉」といふものを信じてゐるのだ。その信じてゐるものが、実は自分の考へてゐるやうなものではないといふやうに描かれてゐるところに恐怖あるいはそこはかとない不安を感じるのだらう。「乱文」の読点を時に句点に読み違へ、みづからの読解力の限界を知つて軽く絶望。 読了日:11月17日 著者:神林 長平 iPhone情報整理術 ~あなたを情報’’強者’’に変える57の活用法!(デジタル仕事術シリーズ) 自分に使へさうな部分、使ひたいと思へる部分は参考にしたい。昨今の「セキュリティ」重視の風潮では、企業に勤めてゐる場合は資料を「てのひらの上」に持ち出すのはむづかしからう。「できることからこつこつと」だらうか。 読了日:11月18日 著者:堀 正岳,佐々木 正悟 私の岩波物語 (文春文庫) 「完本 文語文」とあわせて読むと、「ああ、なんでヲレは過去の人々と切り離されてしまつたんだらう」と悲しく悔しくてならない。「岩波用語」のわかりづらさはこれだつたのか、と、膝を打つばかり。「商売のすべてに賎しいところがある」「編集者が賎しいのではない人間そのものが賎しいのだ」。そして、それでいいのだらう。 読了日:11月26日 著者:山本 夏彦 読書メーター
10月の読書メーター
読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2352ページ ムーン・ライティング (白泉社文庫) 狼男の孫は「狼」男にはなれなかつた。どこまで笑つていいのか悩む。困つた人・ヤな人しか出てこないのに、孤独に悩みつつも、誰も決して独りぢやあないんだよな。ヲレ、なにも考へないで生きてるな。 読了日:10月02日 著者:三原 順 X day (白泉社文庫) 読了後、なにも考へないで生きてるなあと落ち込むことしきり。「X Day」ではサイモンとガーファンクル、「今は静かな」ではカントリーの歌が出てくる。このころの少女マンガには作中に歌を忍ばせるものがあつたな、と、懐かしく思ふ。 読了日:10月03日 著者:三原 順 編集兼発行人 (中公文庫) 気に入つたことばや気になることばに線を引かうと思つたら全ページ線だらけになつてしまふ。そんな本。簡潔にして要を得た書きつぷりに憧れるなあ。 読了日:10月03日 著者:山本 夏彦 Death by Cashmere: A Seaside Knitters Mystery 探偵役は、裏表紙とかに名前の出てくる毛糸屋の女主人ではなく、どちらかといふと彼女の伯母(叔母?)かと思ふ。いはゆるcozy mysteryよりはまあ推理小説めいたところがある……かなあ。うーん、微妙。巻末に出てゐるレースのマフラーは編んでみたいかも。 読了日:10月08日 著者:Sally Goldenbaum 柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方 読む・書く・訳すは自分にとつてはなにかちがふもの同士な気がする。それは、読む対象・書く対象・訳す対象がそれぞれことなつてゐるからかもしれない。この本にあるやうに読む・書く・訳すがつながつてゐるのであれば、日々のその他の営みもまた無関係ではないやうな気がする。それにしても、ヲレ、文学に興味ないな。エンタテインメントがいい。物語がすべて。小説は文字通り「小さな説」または「小人の説」で、「ウェイ・オヴ・ライフ」とか、むづかしいことはなくていい。それはnovelに任せたい。 読了日:10月12日 著者:柴田 元幸,高橋 源一郎 新装版 赤穂義士 (講談社文庫 か 1-21) 「赤穂浪士伝」とあはせて読むと史伝と小説のちがひが見えてくる。内匠頭の描き方からして異なる。これがおもしろい。著者も書いてゐるが、「赤穂義士のことは、日本人が歴史上に持っている大ロマン」だ。 読了日:10月22日 著者:海音寺 潮五郎 The Transcendental Murder (Felony & Mayhem Mysteries) かつてハヤカワ・ミステリアス・プレス文庫で「消えたドードー鳥」と「エミリー・ディキンスンは死んだ」を読んだ。二冊ともホーマー・ケリー シリーズで、同シリーズのほかの本も読んでみたいと思ふやうになつて幾星霜、やつとそのうちの一冊、しかもシリーズ最初の本を読むことができた。最初のうちは読みづらくてまゐつたが、事件が起こつたあたりから俄然読みやすくなる。この本でもエミリー・ディキンスンの存在は重要だ。「超越論」やコンコードにまつはる米文学に興味のある向きには是非。 読了日:10月27日 著者:Jane Langton 旧字力、旧仮名力 (生活人新書) 所詮昔には戻れない。徒然草には一度誤つた使ひ方をされたことばが元に戻つたといふ話が出てくる(兼好法師はこれを「ことば遣ひが乱れてゐる」と嘆いてゐる)が、それは極めてめづらしい例だらう。もう旧漢字・旧仮名には戻らないし戻れない。この本では、旧漢字部分は「読めますか」、旧仮名部分は「書けますか」と問題形式で記述してある部分があるが、「書けますか」の方は問題を先に出すべきで、回答である旧仮名で書いた文章を先に出すのはどうかと思ふ。 読了日:10月31日 著者:青木 逸平 読書メーター
9月の読書メーター
読んだ本の数:2冊 読んだページ数:335ページ 明和電機 魚コードのできるまで 読むと前向きになれる本。よかつた、ヲレには狂気とかなくて、とか思ふことも。 読了日:09月23日 著者:土佐 信道 Things I Learned From Knitting... Whether I Wanted To or Not 読了日:09月07日 著者:Stephanie Pearl-McPhee 読書メーター |
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